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砂漠の縞馬思いを綴る

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2006年1月 2日 03:33

彼は自分自身を浅はかだったと思ってる。 正しくは、浅はかだったと思い知らされたと...

世の中を・・・

彼は自分自身を浅はかだったと思ってる。
正しくは、浅はかだったと思い知らされたと言うべきだろう。
客観的に書くのは簡単だけど、彼には衝撃的過ぎて、実際かなり動揺しているようだった。
他人が聞くと下らなさ極まりないことが、誰かにとってはその人生観をすら変えてしまうほど、重大な事件だったりすることは珍しくはないのかもしれない。

彼自身、伊達に30年も無駄飯食って来たわけでもなく、何故だか人の心がある程度読めてしまう、不思議な能力を持っていたせいなのかもしれない。

その能力と言っても超能力とかではなくて、実際、単に人の些細な心の動きに過敏なだけなのだ。
そう。臆病で、人の顔色を気にする気の弱い男だったに過ぎない。
自己防衛のためか、いつの頃からか、彼は人の心の動きを、敏感に感じとることができるようになった。
むしろ、なってしまったというのが正確な表現だろう。

彼はいつも誰かから自分を必要とされたがり、自分を必要とされることに喜びを感じていた。
もし彼が、精神科医にかかったなら、共依存症と診断されただろう。
多分そう診断されたとしたなら、彼は医者に言った違いない、「それはお前だろう!」と。

彼はよく、僕に言っていた、自分はそこまで精神医学に関して詳しくはないが、おそらく簡易的なカウンセリングならできる気がすると。

大胆不敵なそんな発言に、僕はいつも冗談のように、じゃあ俺も悩んだときはお願いするよ、なんて言ってみるのだが
彼は、毎度のように言うのだった。

溜めておくのは良くないことだし、吐き出せば楽になる。
ほら、二日酔いと同じだよ。吐かないと何時までも辛いんだ。
大丈夫。俺には受け止める容量は無いかもしれないけど、茶漉しかもしれないけど、取りあえず流し込めるスペースはあるから
いつでも遠慮なく言ってくれと。

そんな彼から突然の電話があったのは、年末も押し迫る、ある深夜のことだった。

26時。年末休みに入っていた僕はパソコンに向かい、丁度mixiの日記を書き終えたところだった。真夜中、突然の着信音に、
携帯電話の着信欄を見ると、呼び出し音とともに彼の名前が点滅していた。

なんだろう、珍しいな。

その時少し違和感を感じたものの、僕と彼は長い付き合いだった訳だし、たとえ深夜であろうとも、起きている僕が電話に出ない理由は何もなかった。

電話口で彼は申し訳なさそうに一言、夜遅くに済まないと言い、お前には凄く下らなくて、それがどうかしたのかと言う話かもしれないが、俺にとっては物凄く重要で、そのことで、自分の今までの人生や考え方や、自分自身に自信がなくなった。
聞いてくれるだけでかまわないから、少し話を聞いてくれないか?とそう前置きをした。